CuriousHunter 依存リハ

好奇心のままに、依存症を探索

子供を依存症から守る。【依存症予防】

依存症の研究が進み、
割と依存症の病理学や疫学の理解が進みました。

 

それらによって、
有効な予防・治療法の発展に貢献しました。

 

もちろん、個人の差はあれど
依存症の疫学のパターンは一貫していて
予想が可能なものになりつつあります。

 

とういことで、
どのような要因が依存症の発症を促進するのか
解説していきます。

 

特に、青年・若年層といった
依存症のターゲットになりやすく
予防の需要が高いグループに焦点を当てます。

なぜなら、依存物質使用の年齢が早いほど
大人になった後の依存症の重症度が高いからですね。

 

依存症になりやすい人の特徴についての
イラストを使った記事もあるので
ぜひ、読んでみてください。

curiousquest.hatenablog.com

 

 

 

*社会要因*

社会要因は、青年の層の依存物質使用に
多大の影響を与えています。

 

リスクファクターとしては、
重要人物(親、兄弟、友達)によって
依存物質使用を美化されることによって
お酒・たばこ・薬物等の使用に対する
ポジティブな印象です。
(Mayberry et al., 2009)

 

同様に、映画やテレビでの有名人の飲酒・禁煙を
美化されたようなシーン
リスクファクターと考えられています。
(Villani, 2001)

 

上記に似たものとして、広告での
依存物質を魅力的にする表現法
依存物質に対して、ポジティブな印象・期待を促進します。
(Tye et al., 1987)

 

その結果、若い時の依存物質使用経験を
促進する可能性がありそうですね。

 

 

広告と依存症の記事があるので、
ぜひ、読んでみてください。

 

curiousquest.hatenablog.com

 

 

curiousquest.hatenablog.com

 

 

*発達要因*

発達の視点は、早期の依存物質使用予防を理解するためには
非常に重要になる点です。

 

10代を過ぎると、多様な変化が起こりますね。
それが、身体的・生理学的・社会的・心理学的な変化であったりします。

 

そのため、この時期が
依存物質の初期使用において重要な時期になります。

 

例えば、他の人がしていない行動や
目新しい行動を試すことは、
普通の発達のプロセスであり、
親からの自立・承認の獲得・友達からの人気獲得
アイデンティティーの確立・自立・成熟・
権力への反発といった
行動が目立ってきます。

 

結果、アルコールやたばこの使用が
自立の獲得・成熟・人気の獲得をするうえでの
一般的な発達の一部であるわけです。

 

これらを考慮すると
発達の点での依存症予防は、
依存物質の使用は、上記の
発達のプロセスを満たす手段として理解し、
違う方法を与えることが良いかもしれませんね。

そのため、ただ単純に「ダメ。絶対」という口文句は
必要かもしれませんが、
十分ではない可能性がありそうですよね。

 

合わせて、以下の記事も読んでみてください。

 

curiousquest.hatenablog.com

 

 

*個人ファクター*

個人の依存症発症の予防・リスクファクターも
多様です。

 

例えば、認知のリスクは
知識不足ですね。

依存物質のリスクや
アルコール使用は普通という認識
リスクになると考えられています。
(Khantzian, 1997)

 

心理学的な特徴では、
低い自尊心・低い自己表現・低い自制心
挙げられます。

生理学的な視点では、薬物への反応性
リスクとして考えられますね。

 

なぜ、依存症についての知識が必要なのか
治療理論を基に確認してみてください。

 

curiousquest.hatenablog.com

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*家族ファクター*

家族は、社会的学習(他人をみて学習)の
役割を担っています。

そのため、親が依存物質を使用しても
普通というモデルを子供の中に作り上げる可能性を
高める可能性があるということですね。

 

また、依存症の遺伝率がある程度発見されてきているため
親が依存症の場合、子供が依存症になる可能性も
高くなります。

 

親のしつけも重要で、
厳しいしつけ・放置・家族のつながりの弱さ
・家族紛争等が
リスクファクターとしてあがってきます。

 

逆に、予防ファクターは
一貫性のある制限の設定・しっかりと子供の様子を把握・
オープンなコミュニケーション等が
挙げられますね。
(Lochman & van den Steenhoven, 2002)

 

親のしつけ、遺伝についての記事もあるので
ぜひ、確認してみてください。

 

curiousquest.hatenablog.com

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*学校とコミュニケーションファクター*

環境要因と施設とのつながりは
青年期の依存物質使用と関連が報告されています。
(Fletcher et al., 2008)

 

具体的な学生の特徴は、

  • 不登校
  • 教員との関係の悪化
  • 学業的に失敗した学生

 

学校だけでなく、社会コミュニティーにおいても
安全だと感じられなかったり、
コミュニティーの一部として感じられず、
自分が孤立しているような感覚も
薬物の使用を高めます
(Hays et al., 2003)

逆に、しっかり学校に行き
コミュニティーとの関りが多い人は
薬物使用が少ないわけなので、
社会・学校の在り方も
依存症予防の観点では重要になりそうですね。

 

今後、実際に
エビデンスベースの依存症予防の
取りくみについて解説していきます。

 

*まとめ*

  • 青年期での取り組みが
    依存症予防に重要
  • 社会要因・発達要因・個人要因・家族要因が重要
  • 薬物使用は、発達のニーズを満たすが
    他の方法が推奨される
  • 子供の周りの影響を考慮することが
    予防に重要
  • 正しい知識とリスクをする必要がある
  • 学業や人間関係の再構築が必要

 

*記事関連のおすすめの本*

「私たちは子供に何ができるのか」
「Helping Children Succeed」

この本は、いろんなエビデンスをもとに
グリッド・好奇心・自制心等の
常陽な要因をどのように育むのか
解説してくれてます。

 

自分が依存症当事者で、お子さんがいる人は
ぜひ、読んでみてください。