エビデンスあり⁉ マインドフルネス(瞑想)は、依存症に有効⁉【依存症治療】
依存症の有効な治療法を探そうと
多くの研究者が頑張っています。
その中で、ここ数年で人気を集めているのが
マインドフルネス(瞑想)です。
多くの精神疾患で有効性が示され、
依存症に対してもマインドフルネスを利用した
治療法への期待があります。
ということで、
マインドフルネスとはなにか、
実際に有効なのか解説していきます。
*マインドフルネス*
マインドフルネスは、簡単に説明すると
良い悪い等の判断をせずに
意図的に今という状況に注意を払うことです。
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その結果、過去の経験による偏見や
将来の出来事への期待を取り除き
今現在のその瞬間の本質への気づきを
与えてくれると考えられており、
最終的に、不安を取り除いたり
幸福度をあげてくれると考えられていました。
そして、現在では
西洋の文化も混ざり
多様なマインドフルネスが存在します。
- Mindfulenss-Based Stress Reduction (MBSR)
(Kabat-Zinn et al., 1984, 1985) - Mindfulness-Based Cognitive Therapy (MBCT)
(Segal et al., 2002) - Mindfulness-Based Eating
- Mindfulness-Based Chid-birth and Parenting
その他にも、マインドフルネスの要素を
取り入れた治療にも影響を与えました。
- Dialectical Behavioural Therapy (DBT)
(Levy et al., 2011) - Acceptance and Commitment Therapy (ACT)
(Hayes et al., 1999)
上記のように、多様なマインドフルネスが作られてきて、
基本的には、不安障害・鬱に対しての
試みが多く、有効性も強固なエビデンスによって
支えられてきています。
認知行動療法(CBT)とAcceptance and Commitment Therapy (ACT)について
触れた記事もあるので、
ぜひ、読んでみてください。
*依存症のためのマインドフルネス*
上記のように、多様なマインドフルネスをベースにした
治療法が多様な病気・障害に対して利用されていますが、
もちろん
依存症のためのマインドフルネスも検討されてます。
- Mindfulness-Based Relapse Prevention (MBRP)
(Bowen et al., 2014; Witkiewitz et al., 2005) - Mindfulenss Oriented Recovery Enhancement (MORE)
(Garland et al., 2016) - Minfulness Training for Smokers (MTS)
(Kober et al., 2017) - Moment-by-Moment in Women's Recovery (MMWR)
(Black et al., 2019)
上記のマインドフルネスベースの治療によって
2つのターゲットが依存症にはあります。
- 渇望
- 自動性
マインドフルネスを通して、
中立的に依存行動への渇望・思考を観察し
その渇望に関わる感情(願望・不快感)を
自分自身から切り離すことを目的にしており、
その結果、渇望感があるにもかかわらず
依存行動をしないことを手助けします。
また、自動性(自動に行われる行動)も
依存症におけるマインドフルネスのターゲットになります。
依存行動は、引き金をひっかけに
自動的な反応によって引き起こされます。
この自動的な行動を止めるために、
マインドフルネスによって、
現在の瞬間に目的をもって意識を向けることで
依存行動の頻度・量を減らすことが
できると考えられています。
自動的な依存症についての記事と
渇望と依存症についての記事もあるので、
ぜひ、読んでみてください。
*マインドフルネスは有効なのか*
マインドフルネスの依存症に対する効果に対する
メタアナリシス(信頼度が高い)がいくつかあります。
Li et al. (2017)では、様々なマインドフルネスの
依存症への効果を調べ、
マインドフルネスは、リラプスプリベンション・
認知行動療法・自助グループよりも
高い治療成績(依存物質の頻度・量の減少、依存症関連の問題の減少、依存行動の渇望の減少、ソーバーの割合の増加)がある
と報告されています。
また、2018年のメタアナリシスでも
マインドフルネスは、エビデンスベースの治療(認知行動療法)と比較して
同等の効果が報告され、
また、10分程度のカウンセリングや
論理的に良くわからない治療をしたグループと比べると
良い成績が報告されています。
(Goldberg et al., 2018)
以上のように、割と良い報告がされています。
今後、反響があれば
どのマインドフルネスがどんな人に合うのか
治療期間等の変数と
それぞれのマインドフルネスを詳しく説明する
記事を書きますね。
リラプスプリベンションがわからない人は、
ぜひ、以下の記事もどうぞ。
*まとめ*
- マインドフルネスは、今に集中し
中立的に物事をみる - 不安障害・鬱病にマインドフルネスが
利用されている - 依存症のためのマインドフルネスがある
- マインドフルネスは、
依存行動の渇望・自動性がターゲット - マインドフルネスは、他のエビデンスベースの治療と同等の
治療効果が報告されている。
*記事関連のおすすめの本*
「マインドフルネストレーニング(習慣を変えるための3つのギア)」
「Unwinding Anxiety」
この先生は、瞑想を使用して
依存症のためのプログラムを作ったりしてる人です。
なので、依存症を語るには欠かせない
報酬システムの話があったりして
ちゃんとしてるなって思います。
ぜひ、読んでみてください。