CuriousHunter 依存リハ

好奇心のままに、依存症を探索

依存症は遺伝する?

*遺伝と依存症*

がんは遺伝するとよく聞きますよね。依存症は、どうなのでしょうか。
遺伝子の細かい話はかなり複雑なので
できるだけ飛ばします。

 

*遺伝とは*

子孫を作るとき、子供は両親から半分ずつ情報を
受け取っています。

もし、親のを遺伝情報の特徴が、
子供に渡り同じような特徴を引き起こすとき
これを遺伝したっていいますね。

義務教育でメンデルの法則を習ったと思うのですが、
イメージとしてはあんな感じです。

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*遺伝研究と依存症の問題点*

遺伝研究している人は、おそらく大抵の人が言うと
思うのですが、
依存症のような複雑な病気では、
遺伝がどの程度関わってくるかは推測でしかない

依存症の複雑さは、例えば

  • 他の精神疾患との合併
  • 複数の薬物への依存
  • 環境因子
  • 発達の影響

どれほど、依存症が複雑なのかは
この記事で触れてます。

 

curiousquest.hatenablog.com

 

ただ、信頼できる指標もあります。

依存症の基礎になる遺伝、神経生理学、進化論等を考慮したものは、
依存症の病的な行動と病的な精神状態を
説明するのに十分信頼できると思います。

特に、Vanyukov et al.(2012)によると
感情、社会性、認知機能を説明する遺伝情報は
薬物依存のリスクと関係があると言ってます。

そのため、依存症は
単一の遺伝情報では説明することはできません
いくつかのある程度は遺伝によって、
依存症が説明できることが示唆できますね。

*遺伝率はどのくらい?*

この遺伝率は何かというと、

遺伝率= 遺伝による差  ÷ 環境と遺伝等による差

もう少し詳しく言うと
依存症を発生させるだろういろんな環境要因等を取り除いて、
遺伝情報だけの影響で、依存症がどれほど発生しますかって値です。

こので、例えば身長が遺伝率0.80だとします。
そうすると、その人の身長は遺伝子によって80%説明できる。
それ以外の20%は、他の要因(栄養等)で説明される。

最近のメタアナリシスだと、
アルコール依存症は、遺伝率49%と言われてます。
(Verhulst et al., 2015)

他の薬物に関しては、
なかな研究ができていないみたいで情報が簡単に見つからないで、
見つかり次第、追加します。

ニコチンは割と進んでそうですね。

*環境の影響*

それなりに、遺伝が関係しますってことがわかりました。

ただ、厄介なことに
環境が遺伝情報に影響を与えます

そして、外部環境は一定ではなく
また、体の内側も外部の刺激を受けたりして
変化していきます。

これらの変化は、遺伝情報に影響を与えるんですよね。

なので、人生を通して遺伝情報が変化する可能性が
あるわけです。

なので、環境と遺伝をきっぱりと二つのカテゴリーに
分けるのはどうかなって感じがしますよね。
環境も遺伝に影響を与えるので。

 

*まとめ*

単一の遺伝子が見つかることは難しいが、
いろんな依存症のリスクとなる遺伝子の組み合わせで
説明することができ、
依存症(アルコール)は遺伝子が要因で約50%ほどは
説明できる。

ただ、環境要因も忘れずに。

実際にどんなことが遺伝と関わっているか
別の記事で書きますね。
酵素や受容体とか詳しい話ですね。

*記事関連のおすすめの本*

「日本人の9割が知らない遺伝の真実」
9割系の本多いですよね。
個人的には、詳しいことは9割以上の知らないかなと思いますけど。

ぜひ、読んでみてください。