CuriousHunter 依存リハ

CuriousHunter 依存リハ

好奇心のままに、依存症を探索

【睡眠障害と依存症】依存症における睡眠の重要性

*お互いに影響しあう睡眠と依存症*

依存症では、頻繁に睡眠障害が報告されています。

薬物乱用によって、眠れないこともあるだろうし
眠れないがゆえに、薬物乱用も考えられます。

睡眠と依存症にどんな関係があるのか
解説していきます。

睡眠の影響は、ストレスと食物依存症の記事でも触れました。
気になる人は、読んでみてください。

 

curiousquest.hatenablog.com

 

 


*カフェインと睡眠障害

コーヒーは、最も人気な精神刺激約です。

そして、この分野においてよく議論されているのが
専門性の高い仕事・学業・社会的状況における夜間のコーヒーの摂取です。

要は、夜間に何か重要な理由でコーヒー摂取
しなければいけない状況が多いということですね。

 

Chaudhary et al.(2021)によると、
特に軍人さんで、カフェイン摂取と睡眠不足が顕著にみられると言われています。
そして、軍人さんたちのカフェイン摂取量の上昇は
睡眠時間の減少と精神症状の増加と関連がみられました。

しかし、カフェイン摂取の利点も議論されています。。
それは、カフェイン・エナジードリンク摂取はもしかしたら
軍人さんの睡眠不足の状況かでのパフォーマンスの維持に役立っている点です。

ただ、この著者はしっかりとした睡眠をとる方法を考えることで
カフェイン摂取と睡眠不足どちらともの問題を減らすことができ、
結果として、パフォーマンスも上がるのではと言ってます。

 

という感じで、カフェイン摂取は仕事状・学業の都合等で
役に立つかもしれませんが、
カフェインを取ることで、
睡眠不足とカフェイン摂取の増加の負の連鎖の可能性を示しているため
まずは、睡眠をしっかりとるという根本的なアプローチの必要性を示しています。


これは、他の薬物も同様なことが言えるかもしれませんね。


*コカインと睡眠の役割*

コカインも、精神刺激薬の1つですね。

薬物依存は、いくつかのプロセスがあります。

  • 急性の薬物使用
  • 慢性の薬物使用(離脱症状
  • 禁薬の時期

Bjorness and Greene(2021)によると
コカインの使用は、いかなる依存症のプロセスにおいても睡眠の妨げをする
と報告されています。
また、睡眠障害はコカインへの欲求を高め
さらに、コカインの報酬的効果も高めると言われています。

つまり、よりコカイン摂取をすることに
ポジティブな要素を感じ、再び薬物使用をするような学習を促されます。

 

報酬系のお話は、他の記事でもしたので
気になる人は、読んでみてください。

 

curiousquest.hatenablog.com

 

コカインと睡眠の関係をみると
薬物と睡眠は双方向に影響を与え合っていることがわかりますね。

薬物乱用が睡眠障害を引き起こすこともあれば、
睡眠障害が薬物乱用を引き起こすこともあるということです。

この著者は、さらにドーパミンオレキシン・アデノシンの仕組みが
睡眠と覚醒、また報酬追求型の行動に影響をあたえているのでは
と言っています。
すこし、細かい話なので詳しい話は
他の記事で書きますね。


結論として、何が言いたいか。

依存症回復においては
睡眠と薬物使用等の生理学的なシステムの両方にアプローチ
提供した方が良い可能性を示しています。

そして、結果として依存症再発のリスクを下げることができるかもしれませんね。

事実、睡眠障害を持っている・経験者は依存症の発症のリスクが高く
また、治療中の依存症再発の可能性が高いと言われています。
(Valentino and Volkow; 2020; Koob and Colrain, 2020)


*概日リズムと依存症*

概日リズムとは、体内の生理的機能をリズムであり
基本的には外部の状況(1日=24時間)に合わせて
睡眠と覚醒のリズムを作っています。

要は、太陽が出てきたら活動して
日が沈んだら、眠くなる。
日の日没に合わせて、睡眠と覚醒度をあわせて
しっかりと日中に生活できるようにリズムを体内に作ります。

 

そして、この概日リズムが障害されることを
概日リズム睡眠・覚醒障害(Circadian rhythm slee-awake disorder: CRSWD)
と言います。
この障害は、いろんな型があります。

例えば、

  • 極端な早寝早起き
  • 不規則の睡眠と覚醒にリズム
  • 日に日に睡眠時間と起床時間が遅れるタイプ

どれも、体内時計のリズムと太陽による明暗周期にずれが発生するため
社会活動への問題が生じることがあります。

 

それでは、睡眠・覚醒障害と依存症の関連はあるのか。

Roehrs et al.(2021)は、睡眠・覚醒障害は
すべての依存症の過程(薬物使用・薬物使用の維持・薬物使用の再開)に
影響を与えていると報告しています。

また、Tamura et al.(2021)では
概日リズムと依存症の発症についてのレビューを書いており、
著者は概日リズムと薬物依存との間には双方に影響を与える関係
ありそうだと報告しています。

 

また、この関係はそれぞれの薬物によって異なる可能性も指摘しています。
それぞれの薬物と睡眠については他の記事で書きますね。

 

さらに、著者は概日リズムに関わる遺伝子の影響を受けている
グルタミン系とドーパミン系のシステムが
薬物依存の悪化の可能性も示唆しています。

 

これらを考慮すると、
再び睡眠障害と薬物使用障害の関係性が見えてきましたね。


*アルコールと睡眠*

アルコール依存と睡眠の関係においても、
お互いがお互いに影響を与えっている可能性があります。

つまり、急性・慢性アルコール摂取が睡眠を妨げ
睡眠の障害は、アルコール使用の継続を促し治療成績を下げ、
再発の可能性をあげる

(Koob & Colrain, 2020)

 

実際のアルコールの睡眠への影響を少し解説します。
細かいことは、別の記事で詳しく話します。

 

*アルコールの睡眠への影響*

  • 深い睡眠(Slow wave sleep: SWS)の減少。
    (MacLearn & Cairns, 1982; Williams et al., 1983; Chan et al., 2013)
  • レム睡眠(脳が目覚めかけている状態)の増加。
    (MacLean & Cairns, 1982; Van Reen et al., 2006)

アルコールの摂取量によって影響が異なりもしますが、
それについては、もう少しアルコールに特化した記事で書きます。

 

以上の2点がアルコールの睡眠に対する悪影響です。
聞いただけで、疲れとれなそうですよね。

 

それでは、逆に睡眠のアルコール摂取への影響はどうでしょうか。

 

*睡眠のアルコール摂取への影響*

Conroy et al.(2006)では、主観的な睡眠障害(個人の睡眠の感覚)
Drummond et al.(1998)では、客観的な指標(睡眠ポリグラフを使うことで、
長期の禁酒をしているアルコール依存の人が、
再びアルコール使用をするかどうかを
予測できることを報告しています。

 

事実、実験的にネズミを使い深い睡眠の妨害をした場合の
アルコール関連の刺激に対する反応を調べると
深い睡眠を障害された場合は、よりアルコール関連の刺激に反応し
アルコールを要求するような行動が観察されています。
(Reeves-Darby et al., 2021)

 

よって、睡眠はアルコール摂取を促し
アルコール摂取は、睡眠に悪影響をあたえる
そんな関係が見えてきましたね。

 

*まとめ*

  • 薬物依存と睡眠障害は双方に影響を与え合っている。
  • 薬物と睡眠の両方にアプローチしなければ、
    薬物依存の負の連鎖を断つことができない可能性がある。

今後、それぞれの薬物と睡眠の関連の記事。
また、依存症における睡眠障害への改善法についての記事
についても上げていきます。

 

*記事関連のおすすめの本*

「睡眠こそ最強の解決策である(Why We Sleep)」

また、日本語のタイトル訳が気に入りませんね。
「最強」ってあたりが、誇大表記っぽくないですが?
毎回、同じこと言っているような。

とりあえず、睡眠の研究だとマシューさんかなり有名ですね。
睡眠にまつわる、いろんな知見が紹介されています。

また、良い睡眠のためのアドバイスも紹介されてます。

私は、一気読みパターンの本でした。

また、私はマシューさんのTEDも観たのですが
序盤に「睡眠不足が睾丸を小さくする」と発言し、
一気にプレゼンに引き込まれました。
TEDのURLも張っておきますね。

youtu.be