CuriousHunter 依存リハ

好奇心のままに、依存症を探索

【イラストでわかる】依存症になりやすい人の特徴

スイスチーズで依存症を理解する

依存症になりやすい人の特徴は挙げようと思うと
正直、きりがなさそうです。

いろんな依存症が存在し、それぞれの依存症でリスクは異なります。

ただ、
依存症のリスクを抱えている人でも依存症にならない人がいますよね。

どんなに、薬物をつかっても平気な人がいたり
健康だと思っていた人が、急に依存症になったり

この記事では、そのような疑問に答えるために
スイスチーズを使います。

また、いつも通り
記事の最後に記事関連のおすすめの本があるので
ぜひ、購入し読んでみてください。

 

エメンタールチーズ

スイスチーズおいしいですよね。
スイスはチーズが有名で、チーズフォンデュラクレットがチーズを使った
郷土料理ですね。

そして、スイスのチーズの代表格は
エメンタールチーズです。

牛の乳から作られる、硬いチーズですね。
穴がたくさん開いていて、トムとジェリーに出てくるようなチーズがエメンタールです。

これらの、穴は「チーズアイ」と呼ばれています。

このチーズの穴が、依存症になる人の特徴を教えてくれます。

 

*チーズの穴=リスク*

エメンタールチーズの使い道を説明していきます。

残念ながら、このチーズを食べる人が依存症になるとか
そのようなお話ではありません。
その場合、スイス人が依存症の人であふれかえってしまいます。

この、スイスチーズを使ってリスク管理のモデルを作った人がいます。

James Tさんです。
このモデルの特徴は、スイスチーズを使って特定の事象をモデル・イラスト化し
リスク分析を試みたものです。

説明していきますね

スイスチーズモデル

上の図を使っていきます。

左の方から、赤いレーザー光線が依存症を発生させる攻撃です。

そのレーザー光線がチーズを貫通し右まで到達すると依存症が発生してしまいます。

なので、皆さんはチーズで依存症を発生させないようにレーザー光線を
ブロックして守る
わけです。

ただ、残念ながらスイスチーズには、穴が開いています
たまたま、攻撃がチーズの穴に一致してしまうと依存症が発生してしまいます。

そして、我々が持っているチーズは3種類あり
その穴の大きさ・位置もそれぞれバラバラで変化もしてしまいます。

スイスチーズモデル

3つのチーズの壁

  • 生理学的要因
  • 心理学的要因
  • 環境的要因

それぞれの穴の位置や大きさが異なっており、
例えば、1つの目のチーズを通り抜けられたとしても
依存症は発生せず、2つ目のシールドが守ってくれることがあります。

これから、それぞれのチーズの大まかな説明をします。

 

*生理学的チーズ*

第一層目のチーズは生理学的なものです。

生理学的なチーズの穴の例

  • 遺伝子
  • ドーパミン受容体の少なさ
  • 薬物の種類
  • 薬物の繰り返しの使用による脳の変化
    (耐性等)
  • 精神疾患の合併(例:ADHD、鬱、不安障害)
  • 薬物の使用方法(経口、吸引、注射)

一卵双生児と二卵性双生児では、
一卵双生児のほうが、双子の二人ともが依存症を発生する割合が二卵性双生児の双子より
高いです。

これは、遺伝子情報が依存症に重要であることを示してますね。

薬物の種類によって、作用する受容体が異なります。

また、血管注射は経口摂取よりも効果が早く
依存性が高いと言われています。

このように、より依存症のリスクを高めるリスクを持っている場合は
スイスチーズの穴が大きくなっていきます

遺伝と依存症の記事も書いたので
ぜひ、読んでみてください。

 

curiousquest.hatenablog.com

 

 

*心理学的なチーズの穴*

心理学的なチーズの穴の例

  • 性格(衝動性、刺激探求、リスク感受性、神経症
  • 攻撃性
  • 年齢(若い)

衝動性は、ダメだとわかっていても
コントロールできない状態です。

刺激探求では、常に新しい刺激的なものを求める性格です。
スカイダイビングや珍しい食べ物に挑戦する性格ですね。

リスク感受性は、ストレスに対して敏感であるため、
そのストレスを一刻も早く解消したいため
薬の自己投与することが多いです。

年齢については、年齢が若いほど
依存症のリスクが高いです。

同様に、リスクが多きれば大きいほど
第二のチーズの層に大きな穴が開きます。

 

*環境的なチーズの穴*

環境的なチーズの穴の例

  • ストレスの多い生活(幼少期・現在)
  • 虐待された経験
  • 両親の薬物使用
  • 両親の子供との関りの少なさ
  • 友達の薬物使用
  • 低い社会経済的立場のコミュニティ(貧困・低い教育レベル等)
  • サポートネットワークの有無
  • 薬物の入手可能性

幼少期の両親の離婚や両親を無くす経験や
身体的・精神的・性的虐待等もリスクと言われています。

両親が、薬物をストレス解消で使用しているのをみて
将来子供も真似をする可能性があります。

友達が薬物使用していると、友達からのプレッシャーや同じ興味をシェアすることで
コミュニティは成り立つため、
友達内での薬物使用も見られます。

また、薬物がいつでもどこでも入手できる環境も
リスクになってきます。

親と子の関係と依存症についての
記事もあるので、ぜひ読んでみてください。

 

*どのチーズが大切?*

ときより、生理学的・心理学的なチーズのほうが大切という意見をよく聞きますが、
環境要因も大切な要素です。

例えば、ネズミさんを孤立させ
回転する車等の遊び道具を置かずに
薬物のみを摂取できるようにすると
ねずみさんは、常に薬物を摂取します。
さらに、餌や水を無視してまでも薬物を摂取します。

しかし、ねずみさんを他のネズミさんと一緒にし
遊び道具でいっぱいにしたかごで
薬物をいつでも摂取できるようにした場合は
ネズミさんは、薬物の使用は少なくなりました。

という感じで、環境も重要な役割があります。

どののチーズが大切という話ではなく
どのように、この3つチーズの層の組み合わせが大切です。

このような、考え方はちらほら見られます。
以下の記事でそのような内容に触れています。
ぜひ、読んでみてください。

 

curiousquest.hatenablog.com

 

 

*まとめ*

  • 3枚のスイスチーズで依存症から自分たちを守る
  • 3枚のチーズ(生理学・心理学・環境)
  • リスクが大きいほど、チーズに大きな穴が開く
  • 1つのチーズに穴がいっぱい開いていても、依存症は発生しない。
  • 3つのチーズの組み合わせが大切

今回は、参考文献を使い細かい
実際の依存症のリスクの紹介は省きました。

この記事では、依存症が発生する概念の理解を助けるものです。

今後、それぞれの依存症のリスクを
参考文献を使用し紹介していきます。

 

*記事関連おすすめの本*

「多様性の科学(Rebel Ideas)」

依存症のように、この世界もある特定の1つの能力があれば大丈夫のような世界ではなくなりつつあります。

多様性という言葉は、この21世紀頻繁に使用されています。

バイアスや普段自分が当たり前だと思っていることの一歩先に進み、
多様な考えを取り入れ、新たな思考にたどり着くことができたら
事前に失敗を失せぐことができるかもしれませんね。

ぜひ、日本語と英語どちらもリンク張っておきますので、
読んでみてください。