【薬物危険度ランキング】アルコールは合法で良いのか?
*一番危険な薬物は、アルコール*
お酒は、我々の生活に根強く結びついています。
歴史的・政治的にアルコールが違法薬物になることは
考えにくいでしょう。
ただ、アルコールの悪影響を多くの人が把握していると思います。
実際にどれほど危険なのか、
有名な論文を紹介します。
その論文は、いろんな薬物の危険性を比較したものです。
タイトル通り、アルコールが危険なのですが
続きも読んでみてください。
*アルコールの悪影響*
お酒を飲むといろいろな悪影響があると考えられています。
WHO (21 September, 2018)によると
ー 他害 (家族、友達、同僚、他人)
ー 200以上の病気やケガと因果関係あり
ー 精神疾患との関連
ー 肝硬変
ー 心血管疾患
ー 交通事故
ー 自殺
また、脳の大きさと飲酒の関連もDaviet et al (2022)で発見されました。
彼らの研究では、いろんな脳の大きさに影響を与える因子を考慮したうえで、
飲酒と脳の大きさの関連を調べた結果
1日1杯の飲酒でも脳の萎縮との関連がみられました。
ただ、このデータによると
50歳になった時に平均的な脳の大きさと比べると
数年ほどの早い萎縮なので、
日常生活でその程度の脳の萎縮が、
どんな意味があるのかは個人的に疑問ですが。
他にも、アルコールの影響についての記事があるので
ぜひ、読んでみてください。
*薬物危険度ランキング1位
「アルコール」*
これは、イギリスのお話なのですが
政府の依存症や薬物の法律等をどうするか
学者さんたちが集まって政府をサポートする人たちがいるのですが、
その人たちの研究が、なかなかの衝撃をあたえました。
どんな研究か紹介します。
Nutt et al (2010)は、
いろんな薬物が引き起こす被害を数値化し、
それぞれの薬物がどれほど危険かを調べました。
結果は、グラフを見てもらうのが一番早いです。
一番危険な薬物は、アルコールでした。
さらに、他の違法薬物比べると差は明らかです。
ダントツ1位って感じですよね。
最近、日本で増えてきた大麻と比べると
アルコールは、大麻の3倍以上危険ということになりますね。
一応、この研究の結果の解釈についての注意書きです。
- どの薬物も被害をもたらします。
- どの薬物も危険であり、どの程度危険かを表している
- 決して、安全であるという意味ではない。
ただ、この結果から
我々の法律はエビデンスに基づいて作られているのか疑問ですよね。
もしかしたら、いずれアルコールが違法になり
ほかの薬物が合法になるかもしれませんよね。
ただ、法律は政治との深い関わりがあるので
いくら科学者がこの薬物は危険・安全と言っても
そう簡単に変わることはではないでしょうが。
*記事関連のおすすめの本*
「本当の依存症の話をしよう ラットパークと薬物戦争」
著と翻訳に松本俊彦先生がいますね。
薬物戦争は、若干難しい内容ですが
今後の依存症の法律について考えるときには
だいたい、この話がつきものですね。
ラットパークについては、薬物依存のリスクとなる環境的要素を
説明するときによく出てきます。
その、内容が含まれた記事もあるので
ぜひ、読んでみてください。