CuriousHunter 依存リハ

好奇心のままに、依存症を探索

親の薬物使用は子供の成長を妨げる?

薬物使用と子供へのリスク

 

*アルコールの他害*

10番目の記事で, Nutt さんの危険薬物ランキングでアルコールが自害と被害ともにトップクラスの被害を引き起こしていることが、示唆されていました。

curiousquest.hatenablog.com

そした、この研究をより詳しく見てみると

他害にもいくつか項目があります。

ー ケガ (薬物使用が他人をケガさせる可能性)
;DV、交通事故、胎児への影響、

ー 犯罪 (薬物使用が犯罪を助長させるのか)
ー 環境破壊 (薬物生産と使用での環境被害)
ー 家族被害 (非婚、経済難、ネグレクト等)
ー 国際被害 (薬物の使用でほかの国で薬物の生産や密輸を促すか)
ー 経済コスト (医療費、警備費、保険、犯罪、仕事の効率)
ー コミュニティ (社会の一体感の喪失、社会的信用の喪失)

 

今回注目する場所は、アルコールが引き起こす他人へのケガと家族被害です。

この2つの項目もぱっとみ、アルコールがほかの薬物と比べて群を抜いて最大値をたたき出していますね。

 

実際に、いろんな研究があり

今回は特にアルコール依存症の親が子供にどんな影響を与えるのか、サクッと書きます。

*薬物依存持ちの親が子供に与える影響*

薬物使用障害は実は、若い青年の中では
一番一般的な精神疾患のだと言われています(O'Connell et al., 2009)

そして、子供の薬物使用障害は家族との関係が問題ではないのかと考えられています
(Kessler et al., 2005; Sher et al., 2005)

例えば、薬物乱用と家族を持つ子供は
薬物使用障害に青年期にほかの同級生の子供と比べると2倍高い確率で発症します
(Chassin et al., 1999)。

さらに、この家族の影響は
他の障害も引き起こす可能性があります。

例えば
ー 感情、社会、行動の適合障害
ー 認知機能と成績の低下 

アルコール依存症持ちの親の子供への影響*

アルコールはどうでしょうか。

一応、薬物の中にアルコールも入っていますが、
アルコールの研究も上記の2つの項目(適合障害、認知機能と学業)についてサクッと引っ張りました。

*アルコール依存の親を持つ子供の適合障害について*

(Chassin et al., 1999)では、親がアルコール依存症だと
子供が気分障害になる確率が親が依存症でない場合と比べると2倍多いと報告。

さらに(Marmorstein et al., 2009)では、親の薬物使用とアルコール依存は子供の非行を予測するのに
同等に重要な因子だと言っています。

ただ、もちろん
そうじゃないと言っている研究もありましたね。

良いニュースは、
実際に、問題を引き起こすような飲酒をやめた親を持つ子供
そもそもアルコールを乱用したことがない親を持つ子供では
非行、不安や鬱等の問題に差がありませんでした(Moos and Billings, 1982; Chassin et al., 1991)。

あとは、両親ともにアルコール依存症と片親のみがアルコール依存症の比較では
やはり両親ともにアルコール依存症の方が子供への悪影響は大きいと報告されてますね(Hussong et al., 2005)。

なので、両親のどちらかがやめるだけでもリスクは減りそうですね。

お子さんがいる人は、禁酒をする目的の一つになりそうですね。

 

 

 

 

*アルコール依存の親を持つ子供の認知機能と学業*

割とこの分野は一貫した結果が出ていそうかなって印象ですね。

子供への影響は
ー 読解力
ー 筆記力
ー 数学
(Puttler et al., 1998)

ここで、良いニュースは
やはり、依存症から回復した親を持つ子供
依存症ではない親を持つ子供神経心理学的な機能に差がないと報告されてます(Ozkaragoz et al., 1998)。

新たな禁酒のモチベーションですね。

 

なので、まとめると
ー 依存症の親が子供の社会的な生活を送るのに必要な能力の発達の妨げをする可能性がある。
ー 片親がアルコール依存症でないだけでも、子供へのリスクが減らせる可能性がある。
ー 在依存症で苦しんでいても、依存症から回復していれば、子供へのリスクを減らせる可能性がある。

 

なんで、こんなことが起きるかは
どうやら、アルコール依存症の人とそうでない人で
子育ての仕方や子供への接し方が違うらしいので
今後、そのことも書きますね。

 

*今日のおすすめの本*
「Helping children suceed」Paul Toughさん

この人は、子供ってもともと能力持っているという考えがベースかなって印象です。

そして、大人がその子供たちの能力を発揮できる場を提供しようみたいな感じのことを言ってます。

そして、理由も書いているので納得できることも多いと思います。
ぜひ、読んでみてください。

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