CuriousHunter 依存リハ

好奇心のままに、依存症を探索

薬物を止められる人は、ストレスが少ない?【依存症とストレス】

「ストレスが依存症の最大の敵」
そんなことを何度か発信してきました。

 

実際に、人生のストレスの多さが断酒・断薬に
どれ程関わってくるのか今回の記事では解説していきます。

 

過去のストレスの記事をまだ読んでいない人は
ぜひ、読んでみてください。

 

curiousquest.hatenablog.com

 

 

 

 

*ストレスライフ*

今回紹介する論文(McCabe et al., 2018)では
過去1年のストレスがあるイベントの数を数えて
その後の断薬・断酒をできている人とできていない人に
ストレスの数に差があるか調べました。

 

 

ストレスのあるイベントの例

  1. 転職
  2. 職場の人間関係の問題
  3. 隣人との問題
  4. 盗難の被害者
  5. 個人資産の損害
  6. 家族・親友が傷害被害者
  7. 個人の法的問題
  8. 家族・親友の法的問題
  9. 引っ越し・新しいルームメイト
  10. 仕事がクビになる
  11. 無職になる
  12. 家族・親友の死
  13. 破産
  14. 制御不能な借金
  15. ホームレス
  16. 離婚・親友との人間関係の消滅

 

上記の16個の項目のうち
過去一年、何個経験したかの合計値(予測値だが)を出しました。

 

 

私の場合だと、引っ越しと転職を過去一年に経験しているので、
ストレスライフ数値は、2/16ですね。

 

 

*断酒・断薬分類*

McCabeさん達(2018)は、依存症の人たちの薬物使用状況を4つに分けました。

 

  1. 過去1年、完璧な断酒・断薬グループ
  2. 過去1年、渇望以外の症状がなく
    薬物を1回は使用したグループ
  3. 過去1年、渇望以外の依存症症状があるが
    依存症の診断基準を満たさないグループ
  4. 過去一年、依存症の診断基準を満たすグループ

 

簡易的に4つのグループの名前を決めます。

  1. 完璧な断酒・断薬グループ
  2. 無症状・部分断酒・断薬グループ
  3. 一部依存症回復グループ
  4. 依存症再発グループ

 

この4つのグループにストレスのある生活の有無に差があるのか
調べてくれました。

 

ちなみにアメリカでは、上記の4つのグループの2012-2013年の比率が出ています。

  1. 完璧断薬・断酒グループ(14.2%)
  2. 部分断酒・断薬グループ(36.9%)
  3. 一部依存症回復グループ(10.9%)
  4. 依存症再発グループ(38.1%)

 

 

*断酒・断薬グループはストレス少ない*

結論は予想通り
上手く断薬・断酒できている人は
やはりストレスのあるイベントが少ないようです。

 

McCabe et al., 2018 を基に作成

 

図を見てみると、
完全断薬グループと再発グループでは
約1.5個ほど多いストレスのあるライフイベントが
過去一年に起きている予想ですね。

 

因果関係は不明なものの
ストレスのあるイベントを防ぐことができたら
断薬・断酒がうまくいきそうな雰囲気がありますね。

 

少しでも、上記のストレスなライフイベントを
防げたら、依存症再発を防げるかもしれませんね。

 

 

*まとめ*

ストレスのあるライフイベント(金銭・犯罪・人間関係・仕事)の有無が
断酒・断薬・依存症再発に影響する可能性がある。

 

 

*記事関連おすすめの本*

「メンタルマネジメント大全」

昨年、私がいるイギリスで人気になった本の日本語訳です。
Why has nobody told me this before?というタイトルでした。

しっかりと臨床心理学の内容を網羅し、
マインドフルネス・CFT・ACTといった科学的研究での効果実証がされたものが取り扱われてます。

それぞれの状況に合わせて、実践的に行えるツールが解説されてました。

 

一冊持っておけば、いつでも見直おして
その時々のストレスに合わせて対処できるような
基本的にガイドブック的な感じなので
ぜひ、購入して読んでみてください。