ポジティブな依存(依存の代替?)で、ライフスタイルを変える ー 依存症再発防止【リラプスプリベンション】
依存行動の再発防止が依存症治療の
最終的なゴールとしてされることが多いです。
その依存行動の再発(リラプス)を
どのように予防するのか。
そのヒントをくれるのが
「リラプスプリペンション」です。
以前の記事で、どのような状況で
リラプスが引き起こされるのか
解説しましたので、
ぜひ、読んでみてください。
リラプスが発生する状況が分かったら
どのような方法で予防するのか
見えてきますよね。
ってことで、
いくつかリラプスを予防する方法があるので
紹介していきます。
*リラプスの過程と予防図*
リラプスプリベンションは、
それぞれのリラプスしやすい状況に合わせた
認知・行動的なアプローチをとることで
依存行動の再発を予防していきます。
そのため、場面場面で
特定の戦略があったり、
秘かに隠れているリラプス誘引因子を
ターゲットにした、
全般的に使える戦略があったりします。
そして、基本的には
リラプスを防ぐ戦略は3つに分類されます。
- スキルトレーニング
- 認知の再構築
- ライフスタイルバランス
この記事のみで
すべてを紹介すると
非常に記事が長くなるので
リラプスの過程をロードマップ化したものがあり
そのマップに沿って
少しずつリラプスを防ぐ戦略を紹介していきます。
ということで、
リラプスのロードマップが以下です。
文字が小さくて見ずらいかもしれませんが
これほど多様な因子がリラプスには関り
多様な戦略があります。
すべての戦略が待ちきれない人は、
自分で調べてみてください。
*リラプス予防戦略*
リラプスを予防するための介入戦略は
多くあり、多様です。
ただ、それらの戦略の目的は一致してます。
リラプスプリベンション戦略の目的は
「依存症当事者にリラプスの可能性が高い状況の
予測と対処法を教えること」
そして、それらの方法としての例が
- リラプスを起こしやすいハイリスクな状況の特定と
その状況におけるコーピングスキル - 自己効力感の強化
- 嘘とプラセボ効果の除外
- ラプス(スリップ)マネージメント
- 認知の再構築
そして、このリラプスモデルを上手に比喩を使って
Larimer et al. (1999)が説明しています。
「依存症の行動変化は、
様々な道路標識(危険を知らせる)による指示がある
運転しやすかったり、しにくかったりする(苦楽がある)
高速道路である」
この比喩から考えられることは、
依存症からの回復への道において重要な点を
教えてくれます。
- 目的地(依存行動を変える)に
無事に到達するための
良いロードマップ(危険を避けるため)を
準備する - ガソリン(行動を変える意思)を満タンにする
- 摩耗やパンク(スリップ=依存行動)時のために
予備のタイヤを運ぶ
以下のことを考慮しながら
今後、依存症に向き合ってみてください。
ということで、今回の記事で
1つのリラプス予防の戦略を1つ紹介します。
まずは、一番左にあった
ライフスタイルのインバランスに対応するための
戦略をテーマにして話していきます。
*バランスのとれたライフスタイル*
バランスの取れていない
ライフスタイルは、リラプスの要素になっています。
インバランスのライフスタイルは、
ストレス解消・退屈しのぎの手段として
依存行動ばかりを行ってしまうことを
意味しています。
ということで、
まず、第1ステップとして
ストレスを増加させ、
依存行動に頼ってしまう
ライフスタイルの要因を分析します。
インバランスなライフスタイルの例
- 仕事後の疲労
- 過度な運動
- 友達と口論
- 孤立
ある程度、
共通点はあるものの
自分の生活を振り返って
自分自身のライフスタイルの要因を
見つけてみてください。
また、他のやり方は、
日常の活動を列挙し、
それぞれの活動に「したい活動 and/or すべき活動」の
ラベル付けをして活動の分析をします。
例えば、私の場合。
- 瞑想(すべき活動)
- ストレッチ(すべき活動)
- 運動(すべき活動)
- 英語(すべき活動)
- 学校の課題(したい・すべき活動)
- ブログ(したい活動)
- 読書(したい活動)
この活動を通して、多くの人が
以前に楽しんでいた活動や
しなくてはならない活動が
依存行動に入れ替わっていることを認識できます。
また、他の方法として
Daily Hassles and Uplifts Scale(Delongis et al., 1982)がありますが、
バカほど長い質問なので、
チャンスがあれば紹介します。
一応、毎日のストレスを知る指標です。
*過去に楽しんだ活動*
インバランスなライフスタイルに対して、
一般的なアドバイスは、
「過去に楽しんでいたレクリエーションをもう一度始めよう」
です。
もし、過去に読書を楽しんでいたら
依存行動ではなく、読書をもう一度始める。
それが、運動でもいいですし
アートでも、なんでもいいです。
とりあえず、
自分が楽しんでいた過去の活動を
依存行動の代わりに、
もう一度始めてみましょう。
*ポジティブな依存*
他のアドバイスとして、
「Positive Addictions (Glaser, 1976)」です。
直訳でポジティブな依存ですね。
ポジティブな依存が何かと言うと、
長期的に気分・健康・コーピングとして
ポジティブな効果をもたらす行動を作ることです。
ただ、ポジティブな依存は
比喩的な意味合いで使われているので、
以下に出てくる活動を依存とは
勘違いしないでください。
ポジティブな依存の例
- 瞑想
- 運動
- ヨガ
まあ、挙げればきりがありませんが
ポイントは、
「長期的にライフスタイルをよくする活動」です。
これらの活動における、
新たなスキルの習得や成功体験の積み重ねによって
自己効力感の上昇も見込めます。
自己効力感は、依存症回復において
大切な要素なので、他の記事も読んでみてください。
*補足*
より、特別な戦略の例としては、
認知行動的なスキルトレーニングがあります。
例としては、以下があります。
これらをすべて解説すると
記事が長くなるので、
また、次回でお願いします。
*まとめ*
- リラプスの原因が分かったら
対処法を学ぶ - 対処法は、大きく3つある
1.スキルトレーニング
2.認知の再構築
3.ライフスタイルバランスの改善 - 対処法は、依存症治療の長期戦を
戦う武器 - 依存行動で占めている生活を
過去に楽しんだ活動
もしくは、ポジティブな依存を始める。
(例:瞑想・運動・ヨガ)
*記事関連のおすすめの本*
「ずっとやりたかったことを、やりなさい」
「The Artist's way」
英語版は、驚異の30版まで
出ているっぽいですね。
40億部売れているらしいですね。
すさまじいですね。
自分自身の再発見・自己成長の鍵が
たくさん載ってます。
まあ、売れているので
私がべらべら話すより、
レビューを見てもらった方が良いです。
そして、依存行動ではないことを
始めてみてください。