ストレスは依存症の最大の敵(依存症維持期)
*ストレスが依存症のすべて(依存症維持期)*
ストレスが依存症に密接に関係しています。
この記事では、依存症を3つに時期に分けたうちの
1つの維持期におけるストレスの影響についてです。
まだ、他のストレスに関する記事を読んでない方は
ぜひ、以下の記事も読んでみてください。
*抗ストレス剤と依存症の維持*
ストレスがどのように依存症を維持するのか
理解を深めるための実験がたくさんあります。
1個目は、抗不安薬のベンゾジアゼピンを投与した場合
薬物摂取の影響を確かめた実験があります。
2つの依存症になったネズミさんのグループを作りました。
- レバーを押したら報酬として食べ物(報酬)を摂取
- レバーを押したら報酬として薬物=報酬(コカイン)を摂取
どちらのネズミさんも抗不安薬を与えられ、
ストレスが低い状態にしました。
どの程度一生懸命にネズミさんたちが報酬をもらおうと
レバーを押したかを確認する。
- レバーをたくさん押し報酬を摂取するほど
その行動が強化されていることを表す。 - 一定ならば、維持されていることを表す。
- レバーを押さなくなれば、行動が消滅したことを表します。
Goedersさんの研究では、
アルプラゾラム(ベンゾジアゼピン系の
抗不安薬)が使用されています。
結果
抗不安薬の投与が多くなると(=不安が減る)
薬物(コカイン)の摂取が大きく減少し,
食べ物の摂取はほぼ影響がありませんでした。
(Goeders et al., 1993)
不安が減ると、薬物の使用が減っていきそうですよね。
*ストレスホルモンの抑制と依存症の維持*
ストレスホルモンで有名なものは
コルチゾールですよね。
ストレスを感じるとこのホルモンが放出されます。
このストレスホルモンを合成させないようにした
依存症のネズミさんたちが
コカインをどの程度摂取するのか確認した実験があります。
Goeders & Guerinさんたちは(1996)
メチラポンというコルチゾールを合成を阻止する薬を
ネズミさんに与えて、レバーを押してコカイン(報酬)をどの程度欲するのか調べました。
結果は、明らかですね。
メチラポンの投与量が増えると
コカインの摂取量が減っていってますね。
プラセボは、メチラポンを与える代わりに
食塩水を与えています。
この研究でも、依存症の維持にはストレスが
関わっていることを示唆していますね。
*ストレスホルモンの受容体の阻害の依存症の維持*
ストレスホルモン単体では特に役に立たず、
ホルモンが受容体という
情報を受け取る場所にくっつくことで
体はストレス反応を示します。
Goeders & Guerinさん(2000)にさらに
このストレスホルモンの受容体を阻害する薬を投与することで
依存症のネズミさんたちと薬物摂取行動に
影響を与えるか調べました。
結果は
禁薬物期のネズミさんと同じぐらいの反応を
ストレスホルモン受容体の阻害をされたネズミさんたちは見せていますね。
プラセボという、偽物のストレスホルモン受容体の阻害薬を与えられて
ネズミさんたちと比べても、明らかな薬物摂取行動の減少が
みられましたね。
*まとめ*
- ストレスホルモンのコルチゾールの合成を阻害すると、
依存症発症後の薬物摂取量を減らす。 - ストレスホルモン受容体の阻害をすると
依存症発症後の薬物摂取量を減らすことができる。 - ストレスが依存症の維持に役割がある
次の記事は、禁酒や禁煙の期間における
ストレスの影響の記事になります。
あと、にほんブログ村さんのランキング参加中です。
↓ クリックしていただくと私のストレスが減りそうです。
*記事関連のおすすめの本*
「精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方」
ストレスの話ばっかりで、つらいので
明るい話を最後に入れます。
著者の樺沢 紫苑さんはかなり有名ですよね。
Youtubeも確かやっていたり、たくさん本も書いているので。
その人が、最近書いた本になりますね。
まあ、考え方って大切なんですよね。
なぜかというと、
Aというイベントが起きた時に
みんながみんな同じようなBという反応を示さないですよね。
例えば、禁酒に失敗しました。=A
- もう自分には無理だとおもい。
あきらめる=B1 - そういうこともあるよねと思えて、明日からまた頑張れる。=B2
その理由が、考え方だと思うんですよね。
他人から、こう考えるべきと言われるのは
どうかなと思いますが
参考にする程度ならいいと思います。
ぜひ、読んでみてください。