CuriousHunter 依存リハ

好奇心のままに、依存症を探索

ストレスってなんですか? 依存症を語るには、外せない項目。

*ストレスの要素*

依存症とストレスは非常に密接な関係があります。
ストレスは依存症の最大の敵なので。

その記事を書く前に、ストレスについての
記事を書きますね。

 

 

 

 

 

*ストレスの社会への影響*

世の中は、ストレスを引き起こすもので
あふれていますよね。

そして、ストレスの心理的・身体的ダメージは
非常に大きいです。

 

 

アメリカでは、ストレスを感じている人の50%が
仕事の生産性に悪影響を与えていました。
Fink, 2016)

また、アメリカでは1983年から2009年の間に
ストレスレベルは10-30%上昇していると言われいます。

これらのストレスの影響が、
アメリカのビジネスに対して
300憶ドルのダメージを与えています。

 

 

日本では、2017年から2019年の間で
労働者のストレス若干増加傾向にあります。
また、ストレスレベルが1%上がると
収入は0.671%減少していました。
(Piao &Managi, 2022)

 

 

現代は、ストレスであふれ
我々の生活に膨大な影響を与えていますね。

 

 

 

*ストレスと病気*

ストレスはいろんな病気の要因になってます。

 

また、ストレスは統合失調症を悪化させ
統合失調症はさらに、ストレスの対処が苦手になります。

他には、Posttraumatic stress disorder (PTSD)ですよね。
名前にStressが入っていますからね。

 

 

また、ストレスは精神疾患のみではなく
身体的な病気にも影響を与えます。
この辺りは、依存症とそこまでつながりがないので
また、今度取り扱います。

 

 

*ストレスとは*

ストレスは、かなり個人的な要因を受けます

 

なので、人によって違う意味だったり
場合によってストレスが変わってしまいます。

 

 

それでは、ストレスの定義はどうなるのか。
Hans SelyeさんはFather of stressって言われてるのですが、
この人は、以下のこと言ってます。

Everyone knows what stress is, but nobody really knows (Selye, 1936)

要は、みんなストレスって知ってるけど
実際は、よくわかっていないと。

 

じゃあ、Hansさんのストレスの定義はという

ストレスは、いかなる要求に対する不特定の身体の反応。(Selye, 1936)

 

例えば、熊と遭遇したとします。
その場合の需要と身体の反応は

  • 逃走・戦闘
    (需要)
  • 心拍上昇、瞳孔の拡大、内臓系への血流の減少 等(身体の反応)
    ※不特定な反応

ただ、この考えは一般的すぎて
批判を受けてます。(Selye, 1975)

 

 

他にも、Pacak &Palkovitsさんたちは
Salyeさんのストレスの定義に疑問をもち、
5つのストレスをつかって、体の反応を調べました。

 

5つのストレスは

  • 不活動
  • 出血
  • 寒い場所への暴露
  • 痛み
  • 低血糖

 

結果
それぞれのストレスに対して、
身体は別々の特定のストレス反応を示しました
(Pacak & Palkovits, 2001)

そうすると、ストレス反応はSalyeさんが言っているような
不特定な反応ではないかもしれませんね。

 

 

他の定義もあります。
Frink さんはこんなこと言ってます。


ストレスとは

  • 不安・深い・感情の高まり・調節困難を
    伴う恐怖の知覚
  • ストレスは、外部環境の要求が
    個人のストレスコントロールの能力を上回るときに
    発生する。
  • 集団のなかでは、グループの構造とグループのコントロールを失った状態で、
    ストレス対処が難しくなる
  • 社会科学では、ストレスは社会規範の逸脱。
  • 生物学では、ストレスホルモンを放出する
    ストレス関連の神経生理学のシステムへの刺激
    Fink, 2009)

いろいろ言いすぎて、よくわからないですよね。

これらの定義を考慮して、
きれいにまとめてくれた人がいます。

 

 

*ストレスの大きさの測り方*

ストレスがいろんな要素を持っていることが
分かりましたね。

 

それらを考慮して、
KimさんとDiamondさんは
ストレスの3つの柱と方程式を提案しました。
(Kim & Diamond, 2002)

  • 興奮性と覚醒度を上げる = E
    (客観的に測定できるもの)
  • ストレス反応が不快に感じられる = A
  • ストレス反応のコントロール不能 = U

ストレスの大きさ= E × A × U

 

 

結構わかりやすくなりましたよね。

  • E = ストレスがどれほどの反応を身体に引き起こすか(客観的に測れるもの)
  • A = 主観的に個人がストレスをどのように感じるか
  • U = ストレスの対処能力があるか

よって、これらの変数を変えられることができれば
ストレスを減らせるかもしれないという
新たな治療やストレス管理の方法の発展に
つながりそうですよね。

 

今後、ストレスの対処の記事も書きますね。

 

 

*まとめ*

  • ストレスは、個人・社会レベルで大きな影響を与える。
  • ストレスは、精神疾患・身体の病気と関連する
  • ストレスは、不特定な反応でありながらも
    特定の刺激に対して、特定の反応を示すこともある。
  • ストレスの要素は、身体反応・主観的ストレス・ストレス管理の3つの柱がある

 

最後のストレス管理は個人でできそうな
領域ですよね。
事実、自己決定感が依存症とストレスに関連しています。
この、記事で触れているので
読んでみてください。

 

curiousquest.hatenablog.com

 

次回は、ストレスと依存症に触れますね。

 

 

*記事関連のおすすめの本*

「心の容量が増えるメンタルの取扱説明書」

この記事での3つ目の柱のストレスコントロールの部類になりそうですよね。

実際に、我々の外部環境のストレスを
コントロールするのは大変なので。

まずは、ある程度コントロールがある
自分のことで、自分ができそうなことから試してみるのは
いい作戦かもしれませんね。

ぜひ、読んでみてください。

英語版