CuriousHunter 依存リハ

好奇心のままに、依存症を探索

【最新⁉】依存症の治療方法

脳に電極を埋め込んで依存症を治療

現在、おそらく最も有効な治療方法は
認知行動療法っぽい感じがしますが、

それ以外にも、アノニマスグループ(自助グループ
12ステップのような治療もありますね。

他には、薬物依存は薬物で治療する選択肢もあります。

今回の記事は、科学ってすごいねって記事です。

 

*閉じ込め症候群の治療に電極を埋め込む*

最近、Locked-in syndrome(閉じ込め症候群)を研究している人の話を聞きました。

この疾患は、俗に言う植物状態ですね。

私としてはなんか倫理的に動物を植物と呼ぶのは
どうかなという気はします。

閉じ込め症候群は体は動かせないけど、意識がはっきりしている状態です。
この人たちは、しゃべることができず
基本的には、文字盤を使って目の動きを読み取ることで
どの言葉を選んだか伝えてコミュニケーションをとります。

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文字盤

ただ、やっぱり
喋ってコミュニケーション取れたらいいよねってことで、
Phil Kennedy さんは自分の脳に電極を入れて実験しました

怖いもの知らずですね。
家族には、他人のために治療法を考えようと頑張っているのに
そんな危険を冒すなんて自己中だと言われたそうです。

なんか、皮肉っぽいですよね。

Philさんが、実際に何をしたかというと
脳の電気信号を使って、コンピューターにその信号を読み取らせて
喋れるようになる研究をしました。


*電極を埋める治療法*

この電極を脳に埋める治療は実は、
この閉じ込め症候群の前から研究されており
日本ではパーキンソン病に対して使用されています。
たしか、保険も効いた気がします。

名前は、脳深部刺激療法ですね(Deep brain stimulation; DBS)


理論としては、問題のある脳部位に
電極を埋め込んで電気刺激を与えて
症状を回復させようって感じです。

 

確か、Tesla の Elon Muskさんも似たようなことしてましたよね。
Neuralink brain electrodeってやつで
脳に電極を埋め込んで
記憶力を向上させたり、
人工知能を人間に与える。

そんな発想です。
この人も、すさまじいことを考えますよね。

 

*依存症にも電極埋め込む?*

前振りが長かったんですが
依存症の治療にも電極埋めて
電気刺激を与えたら
治るんじゃないかって話が出できました。

完璧に、依存症を病気」とした理論が
ベースになってますね。

実際どのくらい効果あるのって話ですが、

Hassan et al.(2020)さんたちがシステマティックレビューで
電気刺激を使った治療法の
治療後の薬物の再使用の割合を出してくれました。

*結果*

ー 治療後6か月 ー 39%(再使用率)

ー 治療後1年  ー 47%(再使用率)

ー 治療後2年  ー 57%(再使用率)

ー 治療後6年以上ー 50%(再使用率)

副作用は、基本的にはなく
ただ、少なくとも体重が2キロ変化するみたいですね。
なんで?って感じですが

これが、どのくらい良いのか悪いのかというと
基本的の薬物治療では40ー60%が治療後に薬物の再使用がみられています。
Substance Abuse and Mental Health Administration, 2019)

そう考えると、割といい成績出してるかな
って感じがしますよね。

まだまだ研究が必要ですし
すぐ認可が下りて使えるようになるのは難しそうですよね。
おそらく、倫理上の観点でしょうね。

 

なので、少しずつ
地道に回復の一歩を毎日
我々は歩んでいきましょう。

依存症の回復についての記事がいくつかあるので、
興味がある方は、以下の記事も読んでみてください。

 

curiousquest.hatenablog.com

また、薬物をやめずに依存症を何とかしたい人には
ハームリダクションの記事をおすすめします。
ぜひ、読んでみてください。

 

curiousquest.hatenablog.com

 

 

*まとめ*

  • 脳に電極を埋め込んで依存症治療する
  • 治療成績は薬物治療と比較して良い成績を出しそう
  • 倫理上の観点をクリアするために研究が必要。

 

*記事関連のおすすめの本*

「闇の脳科学。完璧な人間をつくる」
まあ、正直言うとタイトルがやりすぎかなと思いますが
脳に電気を与えれば治療できるよねって
話がたくさん書いてあります。
こういった知識があるのとないとでは、
実際、電極で治療できるようになったときに
治療に対しての抵抗が変わってくるかなと思います。
やはり、知らないものは怖がるのが人間ですから。