薬物を使い続けると好きじゃなくなる?
*薬物が好きではなく、必須なものになる*
今回の記事では、
依存症を病気として考える理論で神経生理学的な部分が基盤になっている理論をざっくり説明します。
依存症の理論は、大半がこの「依存症=病気」ですね。
依存症には、いろんな理論があると前の記事で説明しました。
もし、まだ読んでない方は
ぜひ、読んでみてください。
- *薬物が好きではなく、必須なものになる*
- *仕方がなく薬物を使う*
- *薬物が好きじゃなくなる*
- *脳の報酬系に変化*
- *薬物関連の刺激も報酬系に影響を与える*
- *この理論の利点と欠点*
- *記事関連のおすすめの本*
*仕方がなく薬物を使う*
今回の依存症の理論の名前は、
「The incentive sensitisation theory of addiction (Robinson &Berridge, 1993)」
まあ、報酬感作理論みたいな感じですか?わかりにくいですね。
ざっくりいうと、報酬がもらえるからその行動をしますよって感じでしょうか。
例えば、お仕事を始めたばかりは
もしかしたら、自分ができることが増えたり
認めてもらうこともあったり、お仕事が楽しいと思う人もいますよね。
ただ、だんだんと給料を毎月もらうので
気づいたら、仕事が好きではなくなり
報酬(給料)をもらうためにお仕事を仕方なくしているみたいな感じでしょうか。
この流れが、依存症でも起きてますよ。
っていうのがRobinson & Berridgeさんの理論です。
*薬物が好きじゃなくなる*
この理論によると
我々は、薬物を最初は好きだと思って使っていたが、
次第に好きではなくなり
薬物が生活でなくてはならない存在になってしまった
これが、基本の考えで
グラフで書くとこんな感じになります。
このグラフ見てもらうと
使用を続けると、だんだんと薬物を使った時に感じる幸福感が減っていき、
その代わりに、その薬物がもたらしてくれる報酬の価値が強化されていますよね。
そして、この強化された報酬の価値が渇望、薬物探索、薬物摂取に関係しています。
お仕事にまた、言い換えるなら
お金(報酬)欲しいから頑張るよ。別に仕事が好きなわけではないってことですね。
*脳の報酬系に変化*
報酬の価値が感作されていることが何を意味しているかというと
脳の報酬系に変化が示唆されるわけです。
すなわち、脳の報酬系と呼ばれる場所が薬物使用によって薬物を欲してしまうようになった。
このあたりが、依存症を病気とみなしている理由ですね。
好きという、感情的なお話で
我々は薬物を長期使用しておらず、
薬物の使用に伴って、
脳の中で薬物が重要なものだと学習されたために
我々は薬物を使っている。
そういった理論ですね。
主観的な感情が薬物耐性に関わっていると考えられています。
すなわち、薬物の使用によって
幸福感を感じにくくなった。
よって、同じ幸福感を得るために
より多くの薬物を摂取してしまう。
*薬物関連の刺激も報酬系に影響を与える*
さらに、この理論の面白さは
薬物に関連付けられた刺激に対しても似たような反応を示します。
使用が長引き、依存していくと
次第に4つ目のグラフを見てもらうと
薬物関連の刺激に対しても、渇望反応が出るようになっています。
つまり、注射器や灰皿を見ただけでも
我々は薬物を欲するようになるということですね。
また、この傾向は薬物を1年間やめても
みられました(Boileau et al., 2006)。
ただ、全部の薬物がすべて同じではないようです。
Wilner et al(2005)では、アルコールの実験をしたら
結果は、脳の報酬系が感作されていると共に
好きって言う感情も増加していました。
なので、アルコールへの精神的耐性は
なかなかつきにくいかもしれませんね。
*この理論の利点と欠点*
批判としては、
病院での治療なしで回復している人たちの説明ができないことですよね。
なので、他の依存症の要素が全く考慮されていない。
そして、病気なら薬で治ると思ってもいいですが
治療はそんなにうまくいきませんね。
なので、もし病気だとして
治療もうまくいかないなら
何をすればいいのかこの理論からは何も新しい治療は生まれませんね。
利点は、神経生物学的なプロセスがわかる点。
あとは、客観的な指標の基準になりそうですよね。
さらに、薬の開発のカギにもなりそうですね。
なぜなら、これは病気なので。
*記事関連のおすすめの本*
「Atomic Habits」
習慣って大事ですよね。薬物のように一度始めたら
毎日自然とその行動ができるようになるといいですよね。
割と、この本はいろんな分野の知見を統合的に取り入れている感じがして
よく見る習慣の本より好きでしたね。
私は基本的に英語で本読むのですが
この本は英語でも非常に読みやすい本でしたね。
ぜひ、読んでみてください。
日本語版
ちなみに、私はAmazon/楽天で本を購入します。
Ebookが安いしポイントも貯まるので
ポイントはここを参考にしました。
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英語版