恐怖で依存行動は変わるのか?【動機付けは肯定が必要】
恐怖による行動抑制
*飴と鞭*
他人の行動を変えるためによく言われているような言葉は、
飴と鞭が例えとしてよく出てくる気がします。
飴という報酬を与えてて、行動を促す。
もう一方は、鞭という罰を与えて、行動を抑制する。
どちらが効果的かは簡単に言えることではないとは思います。
ただ、ちょっと
相手を怖がらせることで相手の行動を変えるのは
難しいかもしれません。
飴と鞭に関連する関連学習と依存症についての
記事があるので、ぜひ読んでみてください。
*恐怖は依存症に無意味*
ある研究では、飲酒運転で逮捕された人たちを集め、
彼らを2つのグループに分けました。
1つ目は、実際に飲酒運転をしたことで
人生が台無しになってしまった人の講演を聞くグループ。
2つ目は、その講演会に参加しないグループ
目的は、自分たちが行っている飲酒運転が
どれほどひどい結果を引き起こすのかを知らしめることが、
今後の再犯率に影響するのか調査することでした。
結果は、
その講演に参加したグループのほうが
再犯率が高くなりました(Woodall et al., 2000)
すなわち、人々を予想される最悪の出来事で怖がらせても、
彼らの行動に影響を与えないかもしれません。
事実、たばこや等にがんになりますよと注意書きがあっても
喫煙者が減るわけではなさそうですよね。
では、国が依存症を減らすために何ができるのか?
ギャンブルと国の政策についての記事があるので
ぜひ、読んでみてください。
*動機付け面接法はポジティブな側面をみる*
この結果は、動機付け面接法 (Motivational Interviewing) に
反映されている気がしますね。
動機付け面接法はMillerさんが発展させたもので、
カウンセリングの一つのテクニックですね。
私もトレーニングしました。
基本的に、患者さんのモチベーションを育てようって感じです。
この面接法ではAffirmation (肯定)が大切なスキル
として示されています
(William & Stephen, 2013)。
なので、「禁酒しないと病気になるよ!」
っとは言わないんですよね。
さらに、肯定は患者さんの自分の行動を変えたいという願望を引き出し、
行動を変えたくないという願望を減らします
(Timothy et al., 2016)
例えば、アルコール依存症で苦しんでいます。
ー 禁酒したい(変えたい願望が増加)
ー お酒を飲み続けたい (変えたくない願望が減少)
今後、相手が何か行動を変えたい、
自分を変えたい(断酒、禁煙、健康な生活習慣)と思っている場合は、
アプローチの仕方を考え直すといいかもしれませんね。
動機付け面接法についての記事もあるので
ぜひ、読んでみてください。
*まとめ*
- 飴と鞭で行動を変える
- 健康被害への恐怖は、そこまで大きな効果はない可能性
- 相手の行動変容を促すには、
相手の動機を殺さずに、育てる必要がある - 動機付け面接が、相手の行動を促す良い手段である
可能性がある。
*記事関連のおすすめの本*
「動機付け面接」
基本的には、カウンセラーが使うと思いますが
Millerさんは、どんな状況でも使えますよって言ってますね。
日常のコミュニケーションを円滑にする鍵となる
テクニックもあるので
ぜひ、読んでみてください。